柔術Lifelog

「柔術ときどき仕事」ぐらいの割合の【柔術多め】ブログです。

部門異動は転職だ!社内異動制度の活用には十分お気を付けください

先日、2年間ほど一緒に仕事をしていた同僚がチームを離れました。

年齢は5歳ほど年下の女性ですが、依頼された仕事は期日までにきっちり終わらせ、且つ期待通り(或いはそれ以上の)の成果を上げてくれる、チームで一番頼りにしているメンバーでした。

ほぼ同時期で今のプロジェクトにアサインされ、2人でプロジェクトの土台を作ってきたメンバーなので、個人的にもプロジェクト的にもかなりの痛手ですが、本人のキャリアップを考えるとプロジェクト都合で引き留める訳にもいかず、今回の離任に至りました。

彼女が自分のキャリアに悩み、今後どういう選択を取るのがベストか一緒になって考えているうちに、

「果たして自分も今のままでいいのだろうか?」

と考える良い機会になりました。

そこで今回はコンサル企業における部門異動について自分なりの見解を書いてみたいと思います。

これから就職・転職(どちらかというと転職組向けかな)を考えている人は参考にしてみて下さい。

コンサル企業の組織体型

部門異動について語り始める前に、一般的なコンサル企業における組織体系について説明したいと思います。

コンサル企業の多くは【サービスライン(業務領域)】と【インダストリー(業界)】の2軸で構成されています。

f:id:mw1919jp:20181019124733p:plain

■サービスライン(業務領域)

  • STRATEGY(戦略)
  • CONSULTING(コンサル)
  • TECHNOLOGY(テクノロジー)

■インダストリー(業界)

  • 通信・メディア
  • 製造・流通
  • 金融サービス
  • 公共サービス

上記の例ではイメージし易いようにかなり簡略化していますが、実際にはサービスライン、インダストリーが更に細かく定義されています。



例えば、金融業界における業務コンサルを行う立場の人はココ↓
f:id:mw1919jp:20181019125354p:plain


製造業向けのITサービスを構築する人(SEをイメージしてください)はココ↓に属することになります。
f:id:mw1919jp:20181019125647p:plain

イメージ沸きましたか?

続いて社内で部門異動(所属変更)を行うことについて考えていきたいと思います。

事前の根回しが必要!異動制度を使うときは慎重に!

具体的なイメージを持ってもらうために以下のペルソナを設定します。

■田中さん(35歳 男性)

  • 32歳で10年勤めたSIerからコンサル企業へ転職
  • 前職のシステム開発経験を活かし、金融サービス企業のシステム構築PJのSEとして参画
  • 現在のアカウント(お客さま先)には3年間在籍
  • お客さまからの評価も得ており、それなりに働きやすい環境
  • 新たなステップアップとして新規事業構想などの上流工程に携わりたいと考えている


田中さんの社内におけるポジション的にこの位置です↓↓↓
f:id:mw1919jp:20181019130828p:plain

SIerに勤めている人がステップアップとしてコンサル企業への転職するケースは多いと思いますが、転職先での配属はコンサルティング部門ではなく、SI案件のデリバリーを行う部門に配属されることが多いです。


これから転職を考えている人は、転職先の配属部門についてきちんと確認しておきましょう。


業務コンサルを夢見て転職したのに、配属先次第では転職先でもSI案件のデリバリーをひたすらこなすことになるかもしれません。

希望が通りやすい【縦の異動】

この田中さんが今の仕事にマンネリを覚え始め、より上流工程に携わるチャンスのあるコンサルティング部門への異動を希望したとします。

f:id:mw1919jp:20181020215313p:plain


このような業界を飛び越えない【縦の異動】は現在の業務の延長線上なので、業務内容も人間関係も大きく変わることがないので、比較的本人の希望通りの異動が可能です。


但し、【縦の異動】であってもSTRATEGYと呼ばれる戦略系の業務を行う部門への異動はかなりハードモードです。

f:id:mw1919jp:20181020215802p:plain

ITコンサル企業の場合、「コンサル」と名前はついているものの部門(この例では TECHNOLOGY や CONSULTING)によってはSI案件の管理業務(PMO的な役割)を行うことが多いですが、「STRATEGY」に関しては一線画します。

他部門と比較して在籍人数も少ない部隊ですし、転職組として他ファームのエースクラスも集まってくるので、求められる仕事の質も量も他部門のそれとは全く別物です。

社内異動が絶対に出来ないかと言うとそうではないですが、


①異動先の上司に名前が知られている(気に入られている)

②個人の能力が圧倒的に高く異動先の上司に誘われること


が条件になってきます。

戦略系の異動に関しては、最低でも①②のどちらからの条件を満たしていないことには、社内の異動制度を利用したところで、本人の希望通りの異動が出来ることはまずないと思っておいていいでしょう。

事前の根回しが重要になる【横の異動】

【縦の異動】は比較的容易(但し、戦略系を除く)であることは分かりました。

では業界を飛び越える【横の異動】についてはどうでしょう?

先ほどの田中さんのペルソナに下記設定を付け加えます。

■田中さん(35歳 男性)

  • 前職では商社、金融、製造業など、さまざまな業界へのシステム導入経験あり
  • 転職先では金融業界での経験を評価され、金融サービス業界のコンサルタントとして活躍
  • 入社して3年目、そろそろ金融サービス以外の業界・業務についても学びたいと考えている

田中さんが希望するキャリアとしては以下のイメージです。
f:id:mw1919jp:20181020222841p:plain


この異動は希望通り上手くいくでしょうか?

結論としては、【出来なくもないがやり方次第では後々大変な目にあう】です。

順を追って考えていきましょう。


まずは現在の上司の立場で考えます。

  • 自分の部下が他部門に異動することによる戦力ダウン(売上減少)
  • これまでに育ててきたのに、何の相談もないまま異動希望を出されたことによる裏切りに近い気持ち
  • 今の仕事はどうするんだ?後任は育っているのか?お客さまは納得してくれるのか?といった不安


続いて、異動先の上司の立場になって考えます。

  • どこの馬の骨だか分からない人材を登用することによるリスク
  • 仕事ができるのか?活躍してくれるのか?業界全く違うけど大丈夫?といった不安


【横の異動】は周囲の人間(特に上司)に対してあまりポジティブな印象を与えません。

残される側の人によっては、「今の仕事を置いて自分だけ新しいことにチャレンジする」といったことを良く思わない人もいます。


f:id:mw1919jp:20181020225337p:plain

なので、この【横の異動】を成功させるためには、以下の事前の根回しが必要です。

  • 現在の上司に対する事前相談
  • 異動先の上司に対する事前相談


現在の上司に対する事前相談は多くの人が行うでしょうが、異動先の上司に対する事前相談も忘れてはいけません。

社内の異動制度が整備されている企業とはいえ、受入先の上司が首を縦に振ってくれないことには異動は叶いません。

従って、所定の手続きに則り異動希望を出す前に、事前に希望する異動先の上司となる人物にコンタクトを取って、異動したい旨を伝えておくなど、事前の根回しが重要になってきます。

何の根回しもせずに異動希望を出した日には、希望通り異動できても・できなくても、後々の社内評価に響いてくるので注意しましょう。

社内異動は転職だ!異動した後のことも考えておこう

これまで異動するまでのことを説明しましたが、最後に異動した後のことについても触れておきたいと思います。

業界を超えた異動はその傾向が顕著ですが、全く新しい人間関係の中に飛び込み、右も左も分からない状況で新しい業務に取り組むことは大変です。

お客さんも変わる、上司も変わる、メンバーも変わる、仕事内容も変わる、社内異動とはいえ、他企業への転職と大差ありません。

また、異動先でパフォーマンスを出して、それを認めてもらうまでには時間がかかります。

  • お客さんからの信頼
  • メンバーからの信頼
  • 上司からの信頼

これらを最短で勝ち得るためには、異動した直後の1ヶ月は死ぬ気で頑張りましょう。

出だしで何か1点でも好印象を残してしまえば、あとはハロー効果によって「全体的に優秀な人」といった印象を与えることが出来ます。

逆に出だしで悪い印象を持たれてしまうと、全体的にマイナスのイメージを与えてしまうことになり、他の面に関しても望ましくない特性を持っているという先入観に流されて判断・評価されてしまいます。

まずは1ヶ月。

この1ヶ月を上手く乗り切ってしまえば、あとは少しペースを落としても問題ないので、希望通りの異動が叶ったと安堵するのではなく、今まで以上に仕事に没頭することを心がけておくと、後々幸せになれると思います。



■この記事を書いた人
わたなべまさと
IT屋×柔術家。2016年に10年勤めた中小ベンチャーから大手ITコンサルティングファームに転職。自身の仕事論と柔術を中心とした格闘技ネタについてブログを執筆。
>> 詳しいプロフィールはこちら