SNSにはびこるおじさん柔術家の皆さん、こんにちは。
気づいたら自分も30代後半に突入し、おじさん街道爆進中の僕が通ります。
最近、自分の寝室がおじさん臭いことが悩みです。リセッシュしないと。
この週末はアブダビ・グランドスラムの開催やホベルト・サトシ・ソウザ選手のRIZINでの勝利など、いい具合に柔術関連ツイートが盛り上がっていましたね。
そんな中、興味深いツイートを目にしたので、これを機会に「おじさんと柔術」について考えてみたいと思います。
- 競技年齢が高い?たしかにSNSには柔術おじさんが溢れている
- キッズやティーンの育成に力を入れているアカデミーもある
- なぜ若者に浸透しないのか?競技としての認知度を考える
- 国内にもイケてる柔術アカデミーは沢山ある!
- 年齢カテゴリ、体重別階級制度が設けられた競技
競技年齢が高い?たしかにSNSには柔術おじさんが溢れている
ツイートの後半部分に関しては、これまで2年近く柔術やっていてそこまでオラついた人を見たことがないのでスルーするとして、前半部の「じじくさい」について考えてみたいと思います。
まず、日本国内の競技人口はどのくらいか調べてみましょう。
調べると言っても、協会から正確なデータが提供されているわけではないので、柔術愛好家なら皆大好き【三角絞め研究所さん】が出している推定値を拾ってきます。
こちらの記事による、日本の柔術競技人口は2.0万人〜3.0万程度ではないかとのこと。
気になるのはその年齢分布。
試合会場に行った感覚としては、10,20代よりも30,40代の方が多い印象を受けますが実際のところどうなんでしょう?
こちらも推定値になりますが、TUNELOGさんが出しているブログの閲覧ユーザの割合からすると、35〜44歳が全体の約60%を占めており、25~34歳で20%、18~24歳になるとその割合は5%にまで落ちるとのことです。
ブログの閲覧割合がそのまま競技人口に反映されるとは思いませんが、一つの目安として考えることは有効であり、ぼんやりではありますが競技人口の割合も見えてきます。
柔術の競技人口の25%は34歳以下です。
こうやって書くと特段異常値には見えないですが、
柔術の競技人口の75%は35歳以上です。
こうやって書くとシニアな競技に思えてくるから不思議です。
あとは他競技と比較することで、相対評価が出来るのですがそこまでの数値を拾ってくるのは手間なので割愛します。
サッカーや野球といったスポーツと比べると、小中高生を対象とした育成機関(部活やクラブチーム)が出来上がっていないこともあり、国内の競技年齢は高止まりする傾向にあると考えます。
やはり柔術は、おじさんの、おじさんによるおじさんのための競技なのでしょうか?
キッズやティーンの育成に力を入れているアカデミーもある
カルペディエム自由が丘
— 石黒翔也(Shoya Ishiguro) (@syoyabjj) 2019年4月2日
キッズノーギクラスの様子です。#自由が丘 #習い事 #柔術 #目黒 #世田谷 #キッズ #格闘技 pic.twitter.com/wHdkZAQvlz
CARPE DIEMさんのキッズノーギクラスの様子です。
柔術はおじさんだけの競技ではないのですよ!(これ、ノーギクラスだけど)
幼少期から柔術を身近なものとして感じられる環境があるのは凄くいいことですよね。
このような環境から未来のスターが誕生するのでしょう。
CARPE DIEMさん以外にも、キッズクラスや親子クラスを開催しているアカデミーは沢山あるので、興味がある方は是非一度調べてみて下さい。
あと、こちらも見てほしい。お願いだから見てほしい。
www.youtube.com
おっさん成分ゼロ!
混じりっけなし、純度100パーセントのフレッシュさ!!
この動画には一切おじさん要素は含まれておりません!!!
絶対加齢臭とかしないよね。
柔術にもキッズやティーンが活躍する場もちゃんとあるんですよ。
なぜ若者に浸透しないのか?競技としての認知度を考える
野球やサッカーと違い、柔術が若者層に浸透しないのはなぜでしょうか?
同じ格闘技に分類されるキックボクシングやMMAは世間から認知されていますよね?
大きく3つの理由があると考えます。
①ルールが分からない、膠着が多い、見ていてつまらない
世の中に浸透しない一番の理由は「見栄えしない」ことにあると思います。
派手なKO勝利がない、ルールが分からない、どっちが勝っているかさえ分からない。
こればかりは競技特性なので仕方のないことですが、マスに対して情報発信する際にはもう少し見せ方の工夫をする必要がありそうです。
②言葉の響きで異常にハードルが高そうに思える
「ブラジリアン柔術」って、異常にハードル高そうに聞こえませんか?
【柔術を全く知らない人の思考】
ブラジリアン柔術
↓
ヒクソン・グレイシーがやってるやつでしょ?
↓
首絞めたり、殴ったりするやつ! ←惜しい。殴りはしない
格闘技好きでない限り「ブラジリアン柔術」で連想するのは「400戦無敗の男」であり、総合格闘技を連想する人が多いと思います。
あとはこの漫画を見て育った人も誤ったイメージを持っている可能性大です!
かく言う私も「陣内流柔術」と「ブラジリアン柔術」はそう遠くないものだと大いなる勘違いをしていました。
鉄菱で指を痛めたのは良い思い出です。
③オシャレ感がなく、門戸が開かれていないイメージ
少し前にボクササイズが流行ったり、モデルがキックボクシングのジムに通っていたり、最近では暗闇フィットネスで格闘系エクササイズが取り入れられてブームとなっていたりと、打撃系格闘技はオシャレであるといったイメージ戦略がはまっている気がします。
一方で柔術はというと、道着を着用するスポーツであるといった点がオシャレ感や華やかさを失わせているように思います。
今の道着はデザインもカラーも豊富で古臭いイメージはないのですが、知らない層からすると「道着=学生時代に柔道部が来ていた白い道着」でオイニーがツイキーなイメージもあるのでしょう。
柔術を知らない層からすると「道着」を着るスポーツであるという点が、競技として取っ付きづらくしている部分もあるのではないかと思います。
道着を着用すること自体はどうしようもないことなので、逆に道着を着ることがオシャレになるといった印象操作を行うことが重要になると考えます。
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こういった魅せ方は圧倒的に女性の方が上手なので、おじさんたちは沈黙を貫きましょう。
間違っても鏡の前で半裸状態で新作道着を羽織って、目線を外したモノクロの自撮り写真なんかをインスタに上げないようにしましょう。
それが許されるは、キムタクと岡田くんと鈴木拓です。
国内にもイケてる柔術アカデミーは沢山ある!
おじさんだらけで、観戦する競技としての面白さもなくて、オシャレ感もない。
これまでネガキャン全開でお送りしてきましたが、「そんなこともないんだよ」ということをきちんとお伝えしたいと思います。
イケてる柔術動画3選です!
柔術アカデミーのPVの中で一番好きな映像。
道場内の明るい雰囲気と皆の楽しそうな表情がサイコー!!
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「見栄えしない」なんて書きましたが、トップ選手の動きは尋常ではないです!
実際に自分がやってみるとその凄さがより分かります。
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加齢臭ゼロ動画。レディースクラスですね。
大きな窓から自然光を取り込みつつ、白を基調とした内装が清潔感MAXです!
www.youtube.com
おじさんの人口比率が高い競技であることは間違いないですが、新参者を受け入れようとしない排他的な雰囲気は全くなく、常にオープンで開かれた雰囲気のアカデミーがほとんどです。
取っ付きづらいのは本当に最初だけ。
最初の一歩さえ踏み出すことが出来れば、誰でも、それこそおじさんでも楽しめるような競技です。
年齢カテゴリ、体重別階級制度が設けられた競技
柔術は年齢カテゴリと体重別階級制度が設けられている競技です。
従って、年齢や体重によるフィジカル差は他のコンタクトスポーツよりは影響しにく競技になっています。
この辺りも競技年齢が高い柔術ならではの特徴の一つではないでしょうか。
もちろん試合に出場することが全てでなないので、トレーニングだけやって試合に出ないといった選択肢もありです。
アカデミーに入会したからといって、試合に出場することを強要されるようなこともありません。
競技年齢が高いということは、それだけ身体的負担(怪我や強度)が少ないといった側面もあります。
言い換えれば、老若男女問わずに生涯楽しめるスポーツといえるのではないでしょうか。
まだまだ国内では知名度の低い競技ではありますが、ハード(施設)の面でもソフト(イベントや情報発信)の面でも良い環境が整ってきてる流れがあるので、この勢いを止めることなく世間にも浸透していってほしいと思います。